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不安の正体!

金子勝・藤原帰一・宮台真司他「不安の正体!」(筑摩書房)を読む。

無力感にとらわれたリベラルが現状を分析。インテリという人種は、なるほどここまで突っ込んで、議論をするのか、という感じ。たとえば、北朝鮮問題。米国の尻馬に乗るのが、いかに危険か。日本は隣国だ。太平洋を隔てた米国とはいっしょにならん。日本のタカはナイーブだと切って捨てる。出色は、現実に内戦を経験し、国境沿いに軍隊を対峙させている韓国のリアリズムと比較するところ。

まだまだ序章だが、結構、緊張感がある。宮台も本気モード。インテリが世間話をすると値打ちのある読み物となる。生活には直接関係しないが、自分たちの置かれた状況を冷静に把握する上で欠かせない一冊と見た。なにより、世間話だから肩が凝らないのがいい。

流行に媚びていないので、残念ながら、すぐ絶版になるかも知れない。お買い求めは早い目に。1,800円。
by Yasuo_Ohno | 2004-11-20 00:30 | 読書の部屋
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