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作者が先生・子供と対話、膨らむ想像豊かな心に(オーサー・ビジット)

朝刊に詩人の工藤直子の作品が掲載されていた。工藤が山口県の小学校で「オーサー・ビジット」をした。掲載されたのは『てつがくのライオン』所収の「葬式」という詩。子供たちはきっと違った感性で受け止めたんだろうなあ。


骨はきっちり壺におさまった。
父さん
あなたの持っていた思い出は
どうなるのだろうね
竿に伝わる魚の重みや
小さな孫を抱いた手のひらの感触は
どこへいってしまうのだろうね

最後にあなたをみたとき
胸の上で組んだ指に
少年のころの傷あとが
そのまま残っていたのだが

これだけの引用にかかるエネルギーはわずかだ。けれども、このわずかな文字の配列が放つエネルギーはすごい。言葉のもつ力を信じることのできる幸福な瞬間だ。職業としての詩人が成り立つ不思議も妙に納得。
by Yasuo_Ohno | 2004-12-07 21:24 | 今日の新聞
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