人気ブログランキング | 話題のタグを見る

考える技術

大前研一「考える技術」(講談社)を読む。

立場ではなく、事実に基づいてものを言う。大前が経営コンサルティングでやったこともこれだった。

単純なことである。しかし、この単純なことがなかなかできない。エンジニアとしてスタートした大前が強い信念をもって、この「単純なこと」で世の中を渡ってきた。

たとえば、三菱自動車の問題。事実に基づいてものを言う。具体的に新聞報道の裏を読み解いて見せてくれる。新聞記者を批判する。残念ながら、新聞記事も万能ではない。

経済についても同じアプローチ。事実に基づいてものを言う。カネをジャブジャブ刷ってもデフレが改まらない。IT化が進んで、受注生産が進めば、市場のカネと在庫調整の関係は変わる。高齢化が進めば、手元にカネはあってもモノを買わない。

ジャブジャブ刷ったカネで日米の国債を買うだけ。国債がぱあになればカネもぱあになる。それだけだ、という。大前は、経済学者ではないから、経済学説にしばられない。ただ、事実だけを見ている。

論旨が明快で、具体例が面白い。権威主義の対極にある思考が痛快。ヒットするのもむべなるかな、である。先を急ごう。
by Yasuo_Ohno | 2004-12-13 23:03 | 読書の部屋
<< 国民保護基本指針 要旨を発表 ... かき氷 >>