2008年IMF占領 森木亮(著)

日本の財政状況はひどいのに、国民も政治家もそれを認識しないのはなぜか。金利が上がらないからだ。金利が上がり、インフレになれば、国民は生活苦に陥るから、問題を一気に認識する。しかし、現在はデフレが続いていて、不思議な均衡状態にある。





たとえば、スウェーデンは、財政再建を果たしたいい例だが、これは金利が急上昇したからだった。長期国債金利が2桁に跳ね上がって、個人も企業もお金を借りられなくなって、国債はジャンク債になり、危機感が一気に国全体に及んだ。

しかし、日本の場合は、なぜか国内でみんなうまくやっている。破産寸前というのに、まだ国債の金利が2%以下と、異例に低い状態にある。もし、この状態が続くなら、破産は先送りされるが、その先に待っているのは「緩やかな死」である。真綿で、首を絞められるように、国民生活が追い詰められていき、最後に死に至る。

ちなみに、財政状況のおさらいをしておくと、家計なら年収646万円、月収にすると53万強。国債費に当たるローンの元利払いは20万強。可処分所得は、1ヶ月33万円。ところが、この家庭は、なんと1ヶ月で56万も使ってしまう。しかも、田舎への仕送り(地方交付税交付金)が19万強もかかる。

結局、毎月毎月、43万円もの借金をしなければ成り立たない。こんな生活を長く続けてきたので、借金の残高は、6800万円にものぼる。年収の12倍。サラリーマンが家を建てるためにぎりぎり借りられるローンが年収の5,6倍なのに。しかも、借金はこれからも続く。サラ金地獄から脱出するにはどうすればいいか。

著者は、預金封鎖や財産税といった借金の棒引きはないと見ている。それしか選択肢がなくなったときは、それ以前にこの国は大混乱に陥っているからだという。日本は完全に米国に従属してしまっていて、基礎学がなく、危機意識もなく、政治家も官僚も腐敗してしまっているから、自分自身の手で破産処理ができない。ならば、外圧しかないというのが、いまの著者の結論だ。

かくして、「2008年IMF占領」となる。
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by Yasuo_Ohno | 2005-03-06 22:32 | テーマ5:政治・経済・社会
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