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リストラ起業家物語 風樹茂(著)

…にとってチャンスとは、人との出会い、人との縁だという…ここまでやってきて、問題は商品よりも人との縁だって分かってきました。景気が悪くなっても、人の縁を大事にすればお金はついてくるんです…渡辺の言う縁とは、旧来あった縁とはどう違うのか?99年頃から、伊勢元酒店の地道な努力が周りに浸透してきた。





口コミで地酒マニアが酒好きに「ここにいい店がある」、蔵元にも「伊勢元さんは、ひとつの銘柄をきちんと大事にしてくれる」と黙っていても紹介してくれるようになった。

「これだけ酒がどこでも売れるようになると、酒蔵はしっかり売ってくれる店を探しているんです」新たな縁ができ始めたのである。「たとえば新しい飲食店と取り引き始めるのに、僕らがしっかりした人格とか持っていれば、うちと縁のある人が必ず口添えしてくれるんですよ…

いま本書を読み終えて、起業は半端な覚悟ではできないと改めて思う。

まず、タイミングというのがある。ローンを抱えながらというのはあったが、子供の教育費に相当な額を支払いながら、というのは事例のなかにはなかった。

また、家族に苦労を強いる覚悟がいる。事業が立ち上がるまでのつなぎを強いるとか、起業のパートナーとして協力してもらうとか、そういう事例が目立つ。

サラリーマン時代の収入に追いつくのに5年、10年かかったという事例もある。

それでも著者は中高年は転職より起業を勧める。リストラされた中高年にとって自殺やホームレスしかない、セーフティーネットのない日本の現実から導き出した結論らしい。
by Yasuo_Ohno | 2005-03-23 00:04 | テーマ5:政治・経済・社会
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