伝える言葉 大江健三郎 アマチュアの知識人 社会のなか思考し憂慮する

フランス文学科…を選んだのは、高校二年で読んだ岩波新書の著者、渡辺一夫に教わろう、と思い立ったからです…

大学院を断念した私は、卒業式に出られないほど思い屈していました。四月になって、渡辺さんから話しに来るようにと葉書をもらいました…

…ある作家、詩人、思想家をきめて、その人の本、そしてその人についての研究書を、三年間読み続けるように。きみは小説家になるのだから、専門の研究者になる必要はない…



こうした読書をつうじて私がやってきたことは、最初は楽しみながら、そのうち切実に熱中しての「独学」というほかなかったように思います…先生はこれから専門機関と無関係にひとりで仕事をする卒業生に「独学」の方法を示されたのです…

大江はサイードの「知識人とは何か」から引用する。そして、いう。

…しかし、その気になれば岩波文庫、ちくま文庫ほか、古典を読みやすくする新訳は豊富で、原著へ向かうなら「アマゾン」がすぐにも利用できます。そうした読書を続けつつ専門分野で仕事を重ね、しかも社会について憂慮せざるをえなくなれば、かれらは再会して…私は将来に期待をのべているようですが、いま現にそうした人たちと巡り合っています。

できるひととできないひとがいる。大江はできるひとだ。少なくとも、ぼくは、岩波文庫やちくま文庫の古典を読むひとではない。そして、大江の言葉が、はたして新聞の読者に届くかどうか、ぼくは悲観的だ。

けどね、「東京ファイティングキッズ」の平川克美みたいな企業人もいるし、80越えても自分の頭で考えて、自分の言葉で思考の足跡を残す吉本隆明みたいな人もいるしね。
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by Yasuo_Ohno | 2005-04-12 21:07 | 今日の新聞
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