書かなければならない

いま、立花隆「イラク戦争 日本の運命 小泉の運命」(講談社)を読んで、自らの不勉強を深く恥じ入っている次第だ。

イラクで人質になった高遠さんを誤解していた。軍隊の効率は悪く、NGOの効率にはるか遠く及ばない事実は、前提として、知っておくべきであった。

自衛隊の給水作業シーンはキャンペーンにすぎず、実際は、サマワの貯水池の水を汲んできて、利用しているらしい。日本のメディアは、政府の広報機関に堕していて、そのような事実を伝えうる状況にない。

話は高遠さんに戻る。彼女が解放されたのは、政府の力でもなんでもなく、NGO関係者の努力、そして、高遠さん自身がイラク人に対してやってきたことの結果だった。そんなこと知るべくもなかった。

自己責任論で罵倒を浴びせられていたが、あまりにも不当だとわかった。そもそも助けたのは政府ではない。政府はなにも知らない。真実を知っているのは彼女のほうであって、政府はなにも知らない。立花による、彼女のHPからの抜粋がそれを語っている。

立花は、周到に彼女が反政府というカウンターパワーに属する人間でないことを断っている。これは立花隆というひとの賢明さと誠実さの顕れであり、ほっとさせられる。

本当に自身の無明が恥ずかしい。戦争の大義だとか、先制攻撃だとか、大きなことを図式的に理解はできても、具体的な小さな事実を正当に評価し、正しく位置づけることができない。ほんとうになさけないことだ。

とりあえずは書かなければならないと思った。なお、本書に書かれていることは、04年6月までのことであって、その後の変化がわからない。残念。(大野泰男)
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by Yasuo_Ohno | 2004-08-12 17:14 | 読書の部屋
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