カテゴリ:読書の部屋( 58 )

積読

「いま」を読み解くツール。

退屈男と本と街さんからトラバ。きっとたくさんを読んでるんだなあという感じ。ぼくは、買うけど積読になる。気持ちはあっても体がついていかない。トホ。

最近の新書は「座右の諭吉」(斉藤孝夫)。
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by Yasuo_Ohno | 2004-12-28 08:33 | 読書の部屋

のれん分けしました

のれん分けです。ニュース・読書・映画関係は、こちらへ引越しです。

ニュース・読書・映画

引越しの理由は単純です。サラリーマンサバイバルという語感とのズレが気になっていたからです。
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by Yasuo_Ohno | 2004-12-25 20:20 | 読書の部屋

考える技術

大前研一「考える技術」(講談社)を読む。

立場ではなく、事実に基づいてものを言う。大前が経営コンサルティングでやったこともこれだった。

単純なことである。しかし、この単純なことがなかなかできない。エンジニアとしてスタートした大前が強い信念をもって、この「単純なこと」で世の中を渡ってきた。

たとえば、三菱自動車の問題。事実に基づいてものを言う。具体的に新聞報道の裏を読み解いて見せてくれる。新聞記者を批判する。残念ながら、新聞記事も万能ではない。

経済についても同じアプローチ。事実に基づいてものを言う。カネをジャブジャブ刷ってもデフレが改まらない。IT化が進んで、受注生産が進めば、市場のカネと在庫調整の関係は変わる。高齢化が進めば、手元にカネはあってもモノを買わない。

ジャブジャブ刷ったカネで日米の国債を買うだけ。国債がぱあになればカネもぱあになる。それだけだ、という。大前は、経済学者ではないから、経済学説にしばられない。ただ、事実だけを見ている。

論旨が明快で、具体例が面白い。権威主義の対極にある思考が痛快。ヒットするのもむべなるかな、である。先を急ごう。
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by Yasuo_Ohno | 2004-12-13 23:03 | 読書の部屋

隣の成果主義 その2

溝上憲文「隣の成果主義」(光文社)読了。

まず、本書で総賃金抑制が成果主義導入の動機だということが説得的に論証されている。

経営者が従業員に向かって、率直に述べるべきことが、こういうメディアを通じて伝わることが耐え難い陵辱だ。経営者の弱点を狙うコンサルタントと経営者、官僚主義の人事部の談合も聞くに堪えない。

元来、金は必要条件であって、十分条件でない。「虚妄の成果主義」の高橋伸夫・東大教授のいっていることはこのことであって、溝上はやや誤解している。これに対する反論が中途半端なFA制度や社内公募制度であっては説得力がない。

高橋の主張を容れておきながら、現実は現実なんだから受け入れなければならないといわれてもねえ。しかも米国と日本の労働力の流動性が違う。よって、終身雇用を保障すべきといわんばかりにキヤノン独自の「成果主義」をラストにもってくる。これでは自己の立場が不明瞭になる。

とはいえ意欲作には違いない。この分野の嚆矢だ。いったい読者をどこまで引っ張ってくれるのか、論旨の展開がスリリングでさえあった。しかしながら、最後は少々腰砕けになる。説得的に批判できない「虚妄の成果主義」を持ち出した時点で終わりだったともいえる。

本書の続編として、溝上と高橋の対談を心より期待したい。
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by Yasuo_Ohno | 2004-12-11 12:13 | 読書の部屋

隣の成果主義

溝上憲文「隣の成果主義」(光文社)を読む。

この本は面白い。もっとも成果主義の猛威にさらされている我が身だからこそ、面白いのかも知れない。

著者は、トレンドとしての成果主義は逆戻りしない、経営者にとって総賃金抑制の手段として魅力的だ、という現実をしっかりと見据えるところから出発する。その上で、成果をどうやって評価するかという運用面が全然だめなことを「隣の成果主義」、つまり豊富な具体例でもって論証してくれている。

願わくば、この本が「正しい成果主義」を考えるバイブルになっていって欲しいものだ。多くのサラリーマンが読んでいるらしいが、内容からいって売り上げはもっと伸びてもおかしくない感じ。
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by Yasuo_Ohno | 2004-12-08 23:35 | 読書の部屋

評論家入門 その2

小谷野敦「評論家入門」(平凡社新書)を読む。

小谷野が評論家になるまでの前史が赤裸々に綴られている。小谷野が評論家として認知されるまでには苦節10年が必要だった。文学部を卒業して、留学をして、博士論文を書く。うまくいけば先生に出版社を紹介してもらえる。小谷野の周辺はここからあとは自分の力で自立していく人間が多かったらしい。しかし小谷野はさらに時間がかかった。

でもこれって評論家へのルートかあ?同じ評論家でもいろんな評論家がいるからねえ…。
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by Yasuo_Ohno | 2004-11-29 21:25 | 読書の部屋

不安の正体! その4

金子勝・藤原帰一・宮台真司ほか「不安の正体!」(筑摩書房)を読む。

話は経済に。グリーンスパン神話に及ぶ。住宅バブルと株価高騰が同時にはじけないように政策金利を制御してきた。経済学の教科書には載っていないことだそうです。

また、日本がアシストというかコミットしてきたとも。日本にとってはドル安は困るわけで…。

ところで、富裕層と貧困層に二極化した状態で、富裕層に減税しても景気効果はないということ。当然ですよね。富裕層は消費をしない。せいぜい土地を買い占めるくらいでしょう。
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by Yasuo_Ohno | 2004-11-28 22:41 | 読書の部屋

不安の正体! その3

金子勝・藤原帰一・宮台真司ほか「不安の正体!」(筑摩書房)を読む。

宮台が戦後の日本政治を整理しているくだりがある。押し付け憲法を逆手にとって、米国を利用していた50年代の議論。米国の巻き返しがあって、いつのまにか「平和憲法だから正しい」という寝ぼけたサヨと、「アメリカには逆らえない」という寝ぼけたウヨの対立になる。前者は土井たか子、後者は安部晋三に代表される。

対米追従の理由、北朝鮮問題は、韓国の対応こそが現実主義で、日本の対応は、ナイーブな平和ボケに過ぎない。太平洋を隔てた米国にとっては関心をもてるような代物でさえない。中ロと国境を接した北朝鮮は軍事的には手出しできない。

日本は、韓国のリアリズムをこそ学ぶべきであって、米国の尻馬に乗って、メディアとセキュリティを動員するのは、間違っている。韓国が持つ緊迫感は瞠目すべきだ。

それから米国が日本に軍備を集約しようとするのは、日本が基地費用を負担するので、コストが安いから。勘違いしている日本人が多いのでは?米国が本気で味方してくれるから気が安まる?

ちなみに手持ちのノドン200発東京山手線を照準にして発射すれば100発は命中する、TNT爆弾だから結構すごいことになる…と冗談めいた発言もあった。核ではなく、TNT爆弾だ。

本書は、現在、ぼくらが置かれている状況を理解するのに、すごくいい。不安を掻き立てるメディアの問題やセキュリティを強調されて、管理社会を受け入れる国民側の問題を考えていく。宮台が熱い。
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by Yasuo_Ohno | 2004-11-27 14:27 | 読書の部屋

評論家入門

小谷野敦「評論家入門」(平凡社新書)を読む。

論文と評論の違いを体験的に考察するくだりはいい。ぼくは論文というものを深く考えたことがないので、小谷野の指摘が新鮮だった。論文には論文の作法があって、明らかに評論とは異なる。当たり前のことだが、意外に盲点だったりする。

しかし、このひとの悪いところは、小林秀雄のぶっきらぼうさを責めていながら、ぶっきらぼうな文章を書いていたりするところだ。たとえば、フロイドやユングをトンデモ学者扱いする。論証なしに。

確かに、クスリを飲めば症状は治まる。けれどもそれで病気は根治したといえるか?無意識の発見がどうしてトンデモなんだ。構造主義やポスト構造主義を評価できないから、フロイドが評価できない?

河合隼雄や中沢新一をゲテモノ扱いするスノブな精神で「評論家入門」とは何ごとだ。駄目押しでいわせてもらうと、小林秀雄を批判するに「政治家や商人の文章だ」とする。譬えが悪い。悪すぎる!!

なお、ニュートンやダーウィン、マルクスやケインズと並べて、「文句なしに偉大な学者」と持ち上げる白川静、宮崎市定、中村幸彦、廣松渉の業績には興味がある。(大野泰男)
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by Yasuo_Ohno | 2004-11-26 23:43 | 読書の部屋

不安の正体! その2

金子勝・藤原帰一・宮台真司ほか「不安の正体!」(筑摩書房)を読む。

宮台がアジア主義について言及していた。アジア主義は近代主義に対する文化防衛だとする。近代主義に触れたものは近代主義に毒される。帝国主義は経済用語だが、経済の位相だけで欧米に対抗するのは表層的に過ぎる。アジア主義者は、文化の位相で、精神の統合を維持することの重要性を認識していた。

欧州は米国を深く理解しているので、米国の独善的な振る舞いから自らを防衛しようとする。エネルギー安保、食糧安保、IT安保、文化安保など、米国に依存しないためのインテグリティを維持する。

さて、日本や中国は、米国にどう向き合っていくか。幸せの青い鳥は身近なところにいるのだが…。
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by Yasuo_Ohno | 2004-11-25 22:06 | 読書の部屋