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安保、変質の岐路

昨日の朝刊。米軍の再編案を安保条約の枠内で処理しようとすれば米国の反発を招きかねない、とある。

この文脈で出てきたのが拓殖大教授森本敏のコメント。「米国は安保条約の極東条項には縛られないと考えている。日本は、日米軍がイラク戦争に行っても抗議していない」。そしてこう結ぶ。「今になって、条約解釈を引っ張り出して反対するのは論理的でない」

この理屈だと既成事実を作った方が勝ち、となる。これが学者の言葉か。

守られない条約なんて破棄すればいい。日米双方の国益に合致すればこそ安保条約は生きながらえてきた。

冷戦終結によって、米国の世界戦略は変わった。安保条約の役目も終わった。だから、守られなくなった。であれば、条約を破棄するか、せめて新しい位置づけに合わせて、修正するのが筋だ。

条約なしでは、どんな要求が米国から出てくるか、予見できない。また、とんでもない要求が出てきたときに、断るのが困難だ。論理的に考えればこうなる。条文解釈というほどのことでもない。
by Yasuo_Ohno | 2004-10-14 23:02 | 今日の新聞
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