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神の発明

大塚英志「『伝統』とは何か」(ちくま新書)のつまらなさ。「狙い」はいいが、読者置き去りの論文調にうんざりしてしまった。これはだめ。ちょっと置いておこう。

永江朗「批評の事情」(ちくま文庫)は中だるみ。90年代にブレークした評論家として44人をピックアップ。これ全部に興味持てる?無理無理。少なくともサラリーマンには。

対照的なのは、中沢新一、カイエソバージュ・シリーズ第4作「神の発明」(講談社選書メチエ)。こいつは、たいしたもんです、ハイ。知的好奇心をくすぐられるという感じ、わかるでしょうか。すごい快感です。中沢の言葉は、十二分にこなれていて、見慣れないコンセプトもすんなり。論旨が明快で、説得力がある。ほんとうに上手い。

ちなみに、カイエソバージュ・シリーズの1、2、3も非常に面白い。できれば、1から読むのがお勧め。

「円熟」という言葉があるが、いまの中沢がそうだと思う。
by Yasuo_Ohno | 2004-10-27 20:58 | 読書の部屋
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