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40歳からの仕事術 山本真司(著)

我々の世代の問題は、今まで学んだことを統合して実力を世に問おうという時期に、いきなりまた多くのことを学ばなくてはならなくなってしまったところにある。30代以下の層では、人生はまだ学習モードにある。新しい価値観を難なく受け入れながら、自助努力で新しい時代への変革過程に突入している…



50代以上の層は、これから得られるであろう生涯キャッシュフローの極大化のため、既得権の維持に躍起になっている…10年後、年金は上の層にすべて食いつくされ、新しく創出される富は変革過程を経た新しい層に独占される。

本書は、いまの40代をこのように描く。

50代におもねることで得ることもあるかもしれないが、変革を拒絶すればこれからの人生を捨てることになる。「静かな40代」なんて言い方で揶揄されるが、こちら立てればあちらが立たずという厳しいトレードオフの中でもがき苦しんでいる…。

著者は正直である。

40代の方々にものを教える必要はない。すでに持ち合わせている星雲状態の知識、経験の星屑を、一気に並べ替えて体系化…。

そして、序章は、戦略=捨てること、で明ける。続いて、新聞・雑誌・経営本を三悪として追放することを宣言する。

自分で考える環境を整える。

自分で考えるためには、実体を先に考える…それは具体的なイメージであり、生き生きとした三次元の動きであり、人間の息遣いであり、感動だ…想像力を働かせて、「あるべき姿」を描き出すということだ。

そしてとりあえずの結論はこうだ。

時間の資源配分を、「学習」よりも「自分で考える」ことにシフト…自立とは自分の足で立つこと。我々のようなホワイトカラーにとっては、自分の頭で考えるということだ。

さまよえる40代にとっては救世主のような本だ。
by Yasuo_Ohno | 2005-02-15 22:10 | テーマ6:生活
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